57美香の過去

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ミリン 

『こいつは大韓民国が最先端技術で作り上げたメスチョッパリ。 

最高の味に仕上げるためにも肉をほぐす作業は必要なの』 

″大韓民国が最先端技術で作り上げた″ 

ミリンは確かにそう言っていた。 

私は昔、韓国に拉致されていたのかな? 

小さすぎてその時の記憶がほとんどない。 

ただ、二人の女のことはおぼろげに覚えている。 

一人は韓国人、黒髪でポニーテールをしている女。 

背が高くてたぶん愛梨様より高い。 

すごく怖かったのを覚えている。 

名前は…… 

名前は思い出せない……… 

私達のことを実験動物としてしか見ていない。 

人間扱いしていない女だった… 

もう一人は日本人、茶色い髪の毛で顔は少しキリッとしてて怖そうだったけどすごく暖かかったのを覚えている。 

そう、なんだか今の愛梨様によく似ている。 

茶色の髪の毛にセミロング…… 

優しい顔をしていた。 

もうあの頃すでに三十路手前くらいだったからもう今は40は超えているんじゃないかな。 

名前は…… 

とても大事な人なのに思い出せない。 

薬を打たれたあとは毎日頭が朦朧とする。 

しばらくすると意識がはっきりしてくるんだけどその感覚が徐々に狭くなってきてぼーっとする時間が多くなっている。 

牢屋に捕らえられている女 

「ねぇ、あなた、名前はなんていうの?」 

ふいに私の後ろから声が聞こえた。 

美香 

「え…………?」 

牢屋に捕らえられている女 

「名前よ、名前」 

後ろにあるゲージに日本人の女の子が捕らえられていた。 

ショートヘアの茶色の髪の毛で脚もスラッとして長い。 

腰もしっかりくびれていて胸も大きい。 

小麦色の肌をしているのでスポーツとかしていたのかな? 

背丈は私より小さいようだから160センチくらいかな? 

美香 

「私は……美香です。柊美香……」 

牢屋に捕らえられている女 

「ありがと、私は穂香。織田穂香よ、よろしくね」 

こんな状況なのに明るい子だな… 

この子もミリンたちに捕まったのかな? 

可哀想に…… 

穂香 

「あなたもミリン様に選んでいただいたの?」 

え? 

選んでいただいた? 

美香 

「え?どういうこと? 

私、ここには無理矢理連れてこられて………」 

ん? 

この子は捕まえられたんじゃないの? 

穂香 

「は?無理矢理? 

韓女様に連れてきてもらっておいてその言い草は…… 

ふーん、じゃあ 

まだ韓女様の素晴らしさを教えてもらってないんだ。」 

美香 

「え………?」 

急に穂香ちゃんの声のトーンが下がった。 

もしかしてこの子、崇韓思想に染まってる子なのかな… 

さっきまでの友好的なムードとはうってかわってこちらを責めるような視線を向けてくる。 

美香 

「穂香さんはここの人のことをどう思っているんですか?」 

無理矢理連れてこられてというのは迂闊な発言だったかもしれない…… 

穂香 

「私はもうミリン様に正しい思想を教えて頂いたからね。 

韓女様のことを尊敬しているし、お慕いしているわ」 

やはり崇韓思想者…… 

美香 

「そうなんてすね…」 

なんて切り替えそう… 

いきなり私もそう思いますって言っても嘘だってバレバレだろうし… 

穂香 

「あなたもすぐにそうなるわよ。今までの考えが間違えってこと、教えてもらえるし… 

脳みそにわからせられるw」 

言ってることはわからないでもない。 

ソヨン社長に調教されたとき、私は抵抗することごできなかった。 

ミリンのときだって、今だって快楽に押し流されそうだ。 

穂香 

「私、結婚式で彼氏の目の前でミリン様に犯されたの」 

※34話35話参照 

美香 

「え………?」 

結婚式で…… 

穂香 

「気持ちよかったわぁ… 

最後に大切だった彼氏の胸を私がナイフで突き刺してミリン様に私のお気持ちをお伝えすることができた……」 

美香 

「そ、そんな……」 

大切な人をナイフで突き刺すなんて…… 

穂香 

「あなたもそのうちわかるはずよ。 

今までの固定観念が書き換えられる感覚…… 

大切なものを自分の手で捨てさせられる絶望…… 

韓女様より大切なものなんてないって脳みそに直接刻まれる快楽……」 

美香 

「私はそうはならない。 

愛梨様より大切なものなんて私にはないもの。 

身体は許しても心はずっと愛梨様のもの」 

虚勢をはっているのはわかってる… 

ソヨン社長のときだって私は意思を貫き通すことができなかった… 

穂香 

「私も最初はそうだったよ。 

でもその気持ち、いつまで続くでしょうね」 

穂香さんの顔が不気味に歪む。 

言ってることはわかるけど今回こそ… 

今回こそ、私は絶対にこんな人のようにはならない…… 

なっちゃいけないんだ…… 

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