トントン
「ソヨン社長、今お時間よろしいでしょうか?」
愛梨が会社に乗り込んできてからというもの、会社の雰囲気がおかしい。
「…………………ユナか?」
「はい。」
「今、忙しいから出直しなさい。あと先月のメスチョッパリの輸送の件でミスがあったみたい。後で資料室に行って修正してきなさい。」
先月のメスチョッパリの輸送の件………
私は仕事でミスをしたことがない。
輸送の件でミスがあったとは?
「どこにミスがあったのか教えてもらえますか?」
「それは資料室で教えよう。もう行きなさい。ドアも開けるな」
ミスがあったにしてはドアも開けず具体的な詳細も今は教えない………
つまり………
「承知しました。」
社長室でソヨン社長は私と話したくない。
ソヨン社長は監視されている可能性がある?
『内密に』私と資料室で話したいということか…
……
……………
…………………
…………………………
「ソヨン社長、なぜ愛梨に加担していたミリンを拘束しないのですか?」
資料室で私はソヨン社長に詰め寄った。
自分で少し興奮しているのがわかる。
「わからないんだ。」
「え?」
ソヨン社長の顔色があまり良くない。
「この前の会議で初めて大韓民国総督府研究所の所長代理と面会した。」
「?それが今回とどういう関係が」
「それがそいつが猛獣女、つまり愛梨だったんだ。」
「え?どういうことですか?
韓国政府が日本人ごときに代理とはいえ、所長をさせているのですか?」
そんな馬鹿なことが?
日本のいろいろな施設のポストを韓国人が裏で操っているという話はよく聞くが、逆はありえない。
「その会議で美香を人間牧場に送るように言われたんだ。」
???
人間牧場に送るように指示しておきながら会社に殴り込んできて返せと言ってきたということ?
話が矛盾しすぎている。
「その所長代理の方は本当に愛梨だったのですか?」
「自分のことを愛梨(サランべ)と名乗っていた。顔は愛梨とそっくりだったのよ。ただ、年齢がね…。40代に見えた。少なくても30は回っているように。」
どういうこと?
この前会社に殴り込んできた愛梨はどう考えても20代のはず。
30や40には見えない。
「本国から通達が来て理由は書かれてなかったんだがミリンの指示に従うようにと。
テヨンに関してはかなりまずい事になっていてな。」
「テ、テヨン様が??」
「処刑されるかもしれない。」
「なっ、処刑ですか!?」
どういうこと?
理由は愛梨を襲ったから?
日本人をどうこうして刑に処されるなんて聞いたことがない。
殺しても問題ない種族、それがチョッパリのはず………
「どうにかならないのですか!?」
「手は尽くす。だからお前も会社で騒ぎを起こすなよ。誰が見ているのかわからんからな。」
「承知しました……………」
テヨン様……………
私はやりきれない思いで仕事に戻ることになりました。
神宮寺雄次と織田穂香のその後
雄次はあの事件があったあと、私に必死に謝ってくれた。
まさか社員でない穂香が狙われるとは思ってなかったようであの場をあとにした自分の軽率さに必死に謝罪してくれた。
私も雄次の真摯な態度にあの事件については忘れることにした。
何より雄次はあのあとすぐに会社を辞め、以前住んでいた場所とは全然違う家に引っ越してくれたのだ。
私を守るため、韓国人がいないところへ引っ越し。
職も当然探し直し。
私は雄次のその気持ちがとても嬉しかった…。
幸いある程度のお金はあるので当面は心配なさそうだ。
私は療養のために病院に通院することにした。

あの事件で私自身、性欲が異常に大きくなり、毎日雄次を求めてしまうようになっていた。
日常生活に支障をきたすレベルでDr.にもイクイク病との診断を受けた。
そして深刻なことに脳神経外科で脳に深刻なダメージを受けている、つまり脳細胞が同年代の女性に比べて著しく損傷していると言われた。
あのときの薬のせいで私の脳が深刻なダメージを受けたのは間違いなさそうだ。
暗い話ばっかりだったが雄次が気を使ってくれて私も徐々に前の明るさを取り戻しつつあった。
今日は久しぶりに気晴らしにエステに行くことにした。
もうここにはあの怖いミリンさんはいない。
雄次との新しい生活が始まるんだ。
「あの…ネット予約した織田穂香です。」
「あ、はい。少々お待ち下さい。」
受付の女の人は私の名前を聞くといそいそと奥に入ると背の高い黒いマスクをつけたキレイな女の人がやってきた。
「こんにちわ、織田さん。お待ちしていました。ではアンケートを書いてもらうのでこちらにどうぞ。」

私は小部屋を用意され、簡単なアンケートを記載しました。
「では今回は全身ケアということで1時間エムジェコースでよろしいですね。」
「ダイエットにいいんですよね?」
アンケートに記載…
あれ…
私の名前、漢字思い出せない…
おかしいな…
ど忘れしたのかな…
「はい、すごく痩せますしお肌もピカピカになりますよ」
「じゃあそれでお願いします。」
あの事件以来、どうも物忘れがひどくなってる気がする。
ミリンさんが使ったあの薬のせいなのかな…
私、どうしたら…
「かしこまりました。サービスのハーブティを持ってきますね」
私はアンケートの名前をひらがなで書いて適当にごまかしてやり過ごした。
そうこうしているうちにスタッフの方が奥に退出し、ハーブティを持ってきてくれた。
「これ、なんのお茶ですか?」
「ふふ、良い香りがするでしょう?家畜から抽出したハーブティになるんです。」
家畜ってことは動物性ってこと?
珍しいなぁ
「なんの動物なんですか?」
「それは施術中にでもご説明しますね」
なんの動物なんだろ?

すごく良い香りがしてとっても美味しいけど
今日はいい日になりそう
あの事があってしばらく外出してなかったから久しぶりの外出でエステを選んで良かったかも
いい気晴らしになる。
私は服を着替えて施術室のベットに寝転がりました。
「では始めますね、エステシャンの担当の北野です」

マスクと手袋をしたエステシャンの人が今日の担当みたい。
「ローション失礼しますね」
「あっ…」
「大丈夫ですか?」
「はい、ちょっと熱くて。でも大丈夫です」
熱っ、思ったより温かいな、このローション。
大きなボトルに入った白いローションは真っ白でどろっとしていて私の身体にゆっくり落ちてきた。
すぐにローションの温度になれ、北野さんのマッサージが始まった。
最初はお腹のあたりを重点的に揉みほぐし、足や腕の部分も施術してくれた。
すぐに体がぽかぽか温かくなり血流が改善されていくのがわかりました。
(やっば…。この人、すっごくマッサージうまい。指名ってできるのかな?またしてほしいな…)
「頭の方もマッサージ行っていきますね~。」
北野さんがコメカミの部分をぐっと抑えてくれた。
私、頭のマッサージ大好きなんですよね
気持ちよくて。
次第に私の身体から汗がじっとりと滲んできた。

(やだ、このビキニ、タイトだから乳首立ったらバレちゃうじゃん。)
「加湿器も使いますね。」
「別に構わないですよ?この部屋乾燥してます?」
「加湿器にもハーブが入ってるんですよ。だからぜひ。無料でオプションつけておきますので」
「あ、そうなんですね。ありがとうございます」
ラッキー
サービスいい店だなぁ
北野さんも優しいし、また来たいな。
加湿器は青色にひかり、中の液体はピンク色なのかな?
とってもおしゃれな加湿器だった。
北野さんは加湿器のノズルを私の顔に直接当ててくれ、フェイシャルケアを行ってくれた。
霧状になったハーブの成分が顔にあたり、水滴となって顔に付着していきます。
北野さんはそれを指先を使って浸透するように押し広げます。
身体も温かいローションのおかげでどんどん温まり、血流が良くなっていきます。
「はぁぁ… すごく温かいですね。なんだかドキドキしてきます…」
北野さんの胸はとても大きく、腰のくびれも引き締まって女性の私が見てもドキドキするくらいセクシー…
女の人見てもドキドキすることってあるんだ…

「ローションの効果が出てきた証拠ですね。これからもっと気持ちよくなりますよ」
「お願いしますぅ…」
なんだか頭がぼぉっとしてきたような…


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