-研究所に拉致された美香-
「あ、あの…」

私が目の前にいる白衣の女性に話しかけても返事がない。
ソヨン様の会社で乱暴されて数日後に私は他の施設に運ばれた。
ここ、もしかしたら…
なんだか覚えてる気がする…
昔、幼い頃、お姉ちゃんとここで捕まっていた記憶が…
私は先程から不安で胸が押し潰されそうだった。
怖い…
体の震えが止まらない……
ここは……
ここは…………
人間を加工する施設じゃないの………?
「さて、じゃあミリン様が回収してきた家畜からさっそくミルクを搾り取りましょうか」
白衣の女性がこちらに近づいてきました。
私は拘束されており身動きが全くできません。
「た、助けて……愛梨様……」

自分勝手とはわかっているんだけど恐怖でどうにかなりそうな中、私はどうしても愛梨様に助けを求めずにはいられませんでした。
ガチャッ…… がチャッ……
白衣の女性が私の服を脱がせ、乳房にホースをつけていきます。
乳牛のミルクを搾りとるときに使うようなホースが私の両乳房に1本ずつ繋がれ、私は自分の命が風前の灯火であることを感じました。
午後になり、雨がかなり強く降り出した。
あたりはいつもより早く暗くなり視界も悪くなってきました。
あいにくの雨だな……
こんな日に結婚式だなんてついてない。
「雄次様、穂香様の体調は問題なさそうです。少し疲れが溜まっていたようですね。」
「本当ですか?よかった。今、穂香はどこに?」
倒れてしまうから心配したけど体調問題なさそうでよかった。
それにしてもこの人、どこかであったことあるような?
「結婚式の会場の待合室にお待ちになっておられます。時間が押してまいりましたので雄次様は直接結婚式場に向かわれてください。」
「わかりました。よろしくお願いします。」
スタッフのかたはコクっと頷くとテキパキと披露宴の人たちを案内していく。
…………
……………………
………………………………
…………………………………………
パイプオルガンの迫力ある音楽が流れる。
いよいよだ。
これから穂香との新しい生活が始まる。
会場には親族、友人がすでに待っており、スタッフの人が大きな扉を開けると全員が拍手で迎えてくれた。
うわぁぁぁ
緊張するw
俺は一歩一歩ゆっくりと歩みを進めて、(転倒しないように)神父が待つ祭壇前まで到着した。
穂香はこのあと穂香のお義父さんに連れられて俺の隣に立つ手はずになっている。
「それでは新婦の入場です」
前を向いているため穂香の姿は見えないが後ろで歓声が上がっている。
穂香が入場したのだろう。
コッ コッ コッ
ヒールの音が聞こえる。
ジャラジャラジャラ………
ん?これなんの音?
コッ………
ガヤガヤガヤ……
なんだか周りが騒がしいな?
俺は不思議に思って後ろを振り返った
眼の前にはたしかに穂香が歩いてこちらに向かってきた。
ただ、顔がひどくやつれ目の焦点が全く定まっていない。

ウェディングドレスを着た穂香が俺の横に並び立つ。
横に並走しているのはスタッフの女の人…
こういうのは父親が花嫁を連れてくるんじゃないのか?
え?
お義父さんはどこに?
ジャラジャラ音がなっていたのは……
首輪??
穂香、鎖で繋がれている??

仮面を被った女性のスタッフが鎖を引っ張り奴隷のように穂香を連れてきていた。
「お、おいあんた………っ」
「汝、西園寺雄次は、この織田穂香を妻とし、
良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、
病める時も健やかなる時も、
共に歩み、他の者に依らず、
死が二人を分かつまで、愛を誓い、
妻を想い、妻のみに添うことを、
神聖なる婚姻の契約のもとに、
誓いますか?」
「いや、じゃなくて…おいっ」
神父は俺の言葉を無視して誓いの言葉を続けた。
「汝、織田穂香は、この男西園寺雄次を夫とし、
良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、
病める時も健やかなる時も、共に歩み、
他の者に依らず、死が二人を分かつまで、
愛を誓い、夫を想い、夫のみに添うことを、
神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いますか?」
「……………………………」
「穂香?」
穂香の沈黙に会場がさらにざわつく。
この状態の穂香に答えることができるのか?
「お、……おい、穂香……」
穂香はふらふらしながらも俺の問いかけにゆっくりこちらを向きなおった。
そして俺に小さくつぶやいた。
「…さよう………なら………」



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