「愛梨様、美希がいません…」
「はぁ…もしかして…」
「おそらくソヨン社長のところに行ったものと…」
「美希のやつ、過保護すぎない?別に連絡途絶えたとか行方不明とかじゃないんでしょ?」
「少し前に美希から聞いたときはそうでしたね。ラインからの返信はあると言っていました。」
私は少しため息をついて美希のラインを開いた。
「電話してみるわ」
「…お願いします。」
何度かコールしてみたが電話に出ない。
私は今度は美香のラインを開いた。
メールで彼女の無事を確かめようと文字を打とうとして…
途中でやめてしまった。
(美香からしたら私から断りもなく逃げたわけたし、私に負い目があるよね。私からのラインは返しづらいかぁ…
ん~~😅送るべきか悩むな)
「愛梨様、美香が家を出てしばらくたちます。さすがに電話の一本くらいあっても良いのではないかなと思いますが?それなのにそれもない。ラインの返信だけとなると美希が心配するのも無理はないかと。」
理沙はそう言うとポットでお湯を沸かし、紅茶を出してくれた。
(まあ確かにそうね。私が放置しすぎたか…)
「わかった。美香にラインしてみる。」
えーっと、美香、美香…
私はもう一度美香のラインを開いてメールしてみた
→美香、お姉ちゃんがソヨンさんの会社に向かったみたいただけど今どこにいるの?
するとすぐに返信が帰ってきた。
→愛梨様、ごめんなさい。今、ソヨン社長のお家にお邪魔してます。大学もちゃんと行ってるので大丈夫です。
お姉ちゃんには大丈夫だからって伝えてもらえませんか?
「………………………」
「愛梨様 ?どうされましたか?」
「理沙、今からソヨンの会社に向かうよ」
「承知しました。ラインの返信がなかったのですか?もう少し待っても…?」
理沙が出したばかりの紅茶を下げて食器を台所に持っていってくれた。
「返信ならあったよ。まるで待っていたかのようにね。」
「?」
「あの子はたぶん私に今、ソヨンのことで負い目がある。たからラインの返信はできればしたくない。見ないふりをしたいはず。それなのにすぐに返信してきたからね。」
「…なりすましだと?」
…それに私に″お姉ちゃんには大丈夫だからって伝えてもらえませんか?″って頼み事するのもなんとなく不自然だしね。
あの子が主人である私に頼みごととはいえ、命令するとは思えない。
「私のミスだわ。やっぱり放置するんじゃなかった。理沙、急ぐよ」
ソヨン…あのメス豚がっ
ちょっとわからせてあげる必要があるみたいね
ユナさんと私はエレベーターで地下2階まで降りてきたあと長い廊下を歩いてきました。
自分の脚が緊張で震えているのがわかる。
過去のトラウマが、韓国人に対する半端ではない恐怖がそうさせるのだと思います。
「美希様、妹さんとお会いしてどうなさるおつもりですか?」
「……………連れ戻します。私の妹ですから」
私は恐怖を押し隠すために強気を装いました。
「ふふ、妹思いのお姉さんをお持ちで美香さんが羨ましいです。」
「……………」
ユナさんの一言一言に私は震えを抑えることができませんでした。
表面上では強気を装っていますが脚元はガタガタ震えておりおそらくユナさんもそれをわかっていたと思います。
ユナさんは長い廊下を通り抜けたあと、大きなドアをあけ、私に道を譲りました。

「どうぞ、美希様。こちらへ」
カチャッ
ユナさんが後ろで鍵をかける音がしました。
しかし、その時私は自分の目の前の光景を目の当たりにして、ユナさんがドアの鍵をかけたことを気にかける余裕はありませんでした。
そこは大きな部屋、というより倉庫のようになっていました。
「ヒィッ」
「驚かれましたか?」
ユナさんが私の耳元で囁やきます。
倉庫にはおびただしい量のゲージが置かれていました。
そして、そのゲージには白い服を着せられ、首輪をつけられた女の人が一人ずつ監禁されています。
まるで家畜かなにかのように。
全員日本人女性?
わからないけど韓国人じゃないと思う。
あの国の人間はもっとスタイルがいいし、雰囲気でわかる。
草食動物が肉食動物を察知するかのように私の本能が危険を教えてくれます。
早く、早くここから逃げないとっ
ゲージに入れられた女の人はどれも生気がなく、おそらく調教されてこの人たちに逆らえなくされているのだと思います。
恐怖と快楽で洗脳されてるのでしょう。
「んー、思ったよりは驚かないんですね。まるで見たことがあるみたいw」
「…妹はどこですか」
ただ、逃げるよりも先になることがあります。
冷たく怒気を含んだ声でユナさんを問い詰める。
怯えちゃだめ
しっかりしないと
美香には私しかいないんだから
『自分の精神をコントロールしなさい、美希』
私は昔、私を助けてくれた名前も知らない人に言われた言葉をなぜか思い出しました。
「どうしたんですか?震えてますよ?」
ユナさんがゆっくり近づいてきて私の右手を握りしめる。
「あー怖いんですか?ここに入れられることを想像して?それとも感じちゃってる?自分もこんなふぅになりたいって」
ユナさんが背後に回り込み私の胸に手を忍び込ませる。
「はぁぁぁっ💕ふぅぅぅぅぅ💕、美希様はとても良い匂いをしておられますね💕とても甘美な……メスの匂い💕💕💕」
私の耳元で最後だけ恐ろしく冷たい声でユナさんはメスの匂い…とつぶやきました。


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